頻尿のために、試験時 トイレに行きたくなって最後まで試験問題に取り組めない(平戸さん 17才 高校生)
平戸君は 半年前から過活動膀胱に苦しんでいた。
緊張するとトイレに行きたくなってしまう。
高校生の平戸君が緊張するのは試験の時。
試験が始まる前には必ずトイレに行くようにしている。
それでも必ず、トイレに行きたくなる。
そうなると試験どころではない。
(早くテストを終わらせてトイレに駆け込みたい。)こんな気持ちになる。
もう辛抱できなくなって、テストができていなくても提出してトイレにダッシュ。
しかしそれほど出るわけではない。
悔しい思いでいっぱいになる。
でも自分ではどうしようもない。
だんだん過活動膀胱の症状はひどくなる一方のような気がしてくる。
試験の時だけでなく、授業中も行きたくなる時がある。
幸い、自由な学校なので、席は自分で選べる。
平戸君は1番後ろに座ることにしている。
トイレに行きたくなったら先生に言わなくても自由に行けばいいようになっているのが何より有り難い。
これがほかの学校のように席が決められ、いちいち、先生に断らなければならなかったら、学校に行けなくなっていたかもしれない。
しかし、テストの時だけは本当に困ってしまう。
大学受験という大きな関門が待っている身としては何としても過活動膀を治さなければ、悲惨な思いをしなければならないと思うと、
毎日が不安で不安でいっぱいだった。
寝つきも悪くなり、眠りも浅い。
不安な気持ちが睡眠までにも影響しているのだとわかっているのだがどうすれば解決できるのか分からなかった。
お母さんに勇気を出して相談して、泌尿器科に行くことにした。
泌尿器科に行くのは一大決心がいったが勇気を出して受診した。
薬が処方されたので、ほっとした。
これで治ると思った。
しかしそんなに甘くはなかった。薬を飲んでも良くならないのだ。
もうどうしたらいいのかわからなかった。
日ばかりが無駄に過ぎていく。
こんなことをしていられない。
どうする。
頭の中は過活動膀胱のことでいっぱいになってくる。
勉強をしていても少しも頭に入ってこない。
スマホで検索するとたつみ鍼灸院が、過活動膀胱の治療をしていて、良くなっている人がいることが書かれていた。
鍼灸なんて初めて聞く言葉だった。
はりで治療をするなんて信じがたかった。
しかし、追い詰められていた平戸さんは鍼灸の頼るしかなかった。
予約を入れるのは勇気がいった。
薬が効かなかった時のことが心の傷になっている。
期待して裏切られるのが怖かった。
だめもとと心に言い聞かせて予約を入れた。
予約当日、針治療というのはどういうことをするのか怖く思わなかったと言えばうそになる。
しかし、治った人のことが書かれている。
まさか嘘は書かれていないだろう。
脈を診られたり、指の圧痛を調べられたり、いろいろ調べられる。
病院では話だけで身体を調べられることはなかった。
こんなに調べられるのかと感心してしまう。
勿論困っていることなども話をする。
そしてやっと鍼を打たれた。
痛いのかと心配していたがそんなことはなかったのでほっとする。
治療中、いろいろ生活上で注意することも教えてもらう。
病気というのは自分では普通だと思っていることでも体にとっては負担になっていることが病気の原因になること。
平戸君にとっては、シャワーや体を冷やす食事など。
身体を温かくする食事を教えてもらい、湯船につかるように勧められる。
衣類についてもお腹を冷やさないように気を付けることなど、具体的に教えてもらう。
最後に家でできるお灸の仕方も教えてもらう。
お灸は簡単なので自分でもできそうだ。
これなら治るのではないかと思えた。
確かに針治療後、過活動膀胱の状態が少し良くなったのを感じられた。
家でも教えてもらったようにお灸をした。
そんなに時間はかからないのでありがたい。
1週間に1回、通い始めて1月半、テストがあった。
やったー!テスト中トイレに行きたくなることはなかった。
落ち着いてテストを受けることができたのだ。
はりで治療なんて誰が考えたのだろう。本当にすごい。
大学受験も無事終わって、希望のところに決まった。
