不眠症(睡眠障害)鍼灸体験談(小南さん 奈良県)

抗うつ剤を辞めたら全く一睡もできなくなった。・・・から睡眠を確保できるまで(小南さん 無職 52才)

小南さんは2年間飲み続けてきたうつの薬を1か月前に医者に相談なしにのむのをやめてしまった。
理由はこの薬の副作用を調べれば調べるほど怖くなったからだ。
眠気、ふらつき、喘鳴、睡眠中の多呼吸発作、興奮、めまい、運動失調、神経過敏、不機嫌、無気力などである。
他に、調べれば調べるほどいろいろな副作用が書かれている。
小南さんが1番恐ろしく思ったのは依存性である。
医者に相談すればやめた時の副作用を言われるだろうと思ったのであえて相談しなかった。
勿論急にやめた時の離脱症状も怖かったが薬を続けていくことのほうが怖かった。
しかし、医者には事後報告という形で報告はした。
この薬は急にやめるのは決して良くないので医者はそれを言ったが小南さんは、薬を辞めることしか頭になかったので、聞く耳もたずの状態であった。

そしてこの時から小南さんは不眠症に悩まされるようになったのである。

それも一睡もできないという恐ろしい不眠である。
同時に手足のしびれと冷え性が出てきた。
この時の小南さんには、これらの症状以外に、寒がり、風邪をひきやすい、下痢をしやすい、疲れやすい、不安感、動悸、食欲不振、などの症状もあった。
(今日こそは眠りたい)と思って布団に入るが一向に眠気がやってこない。

そして全く一睡もできないまま朝を迎えるという日々を実に1か月続いたのである。

一睡もしていないから昼間に眠くなるだろうと思っても昼も眠気が全くやってこない。
あまりのつらさに、前の病院とは違う病院にいってひとまず睡眠薬を処方してもらった。
本当のところ薬は飲みたくなかった。
うつの薬と睡眠薬という違いがあるものの何のために自分は薬をやめたのかという思いはあった。
しかし1月間一睡もできないのはさすがにつらすぎた。

処方された薬を飲んで(今日こそは眠れる)と思ったが駄目だった。
やはり一睡もできなかった。

一睡もしないままの1ヶ月。
よく持ったもんだと自分でも思う。
しかしもう限界は、とっくに超えている。
薬がだめならどうする?
朦朧とする頭で考えるがいい考えが出てこない。
スマホで検索する。
不眠(睡眠障害)で、出てきたのは「たつみ鍼灸院」。

(薬で眠れなかったのがはりで治る??)にわかには信じられなかったが、藁にも縋る思いで予約を入れた。

予約当日。(本当に治る?)と思いながらそれでも治してほしいと思っている自分がいる。
ベッドに横になる。
脈を診られ、腹診され、舌も診られ、いろいろはりを打つ前にされる。
「睡眠障害のはりだけでは治療効果は上がらないでしょうね。
睡眠障害の原因になっている鬱の治療もし、薬の副作用をとっていく治療をし、そして睡眠障害の治療をしていかねばなりませんね。」と言われる。
全くその通りだと思う。
はり治療をしてもらった日は、眠れるかと思える瞬間があったが眠れなかった。
そして2回目のはり治療後、眠れたのである。

布団にはいってしばらくすると、自然に眠くなっていた。

しかし、1時間したら目が覚めた。
それでも、今まで一睡もできなかった小南さんにとっては、うれしい出来事であった。
2-30分もするとまた再び眠れた。
1時間すると目が覚める。
2-30分するとまた眠れるという繰り返しだったがあの恐ろしい不眠から抜け出せたことは奇跡に近い。

その後のはり治療で睡眠障害は少しずつ良くなっていった。

例えば1月後には、(11:00~14:00 14:00~16:00 16:00~18:00)という具合に、途中2回目が覚めることはあったがその後眠れているので、合計7時間近くは眠れるようになった。
小南さんにとっては快挙であった。
さらに小南さんにとってうれしい変化が出てきた。
うつ病を持っている小南さんにとってうつ病の薬を辞めたことは不安材料であった。
薬を辞める前から、体を動かすことさえ億劫だった。
何もしたくないというのがその頃の小南さんの状態である。

しかし、はり治療を続けていく中で、睡眠がとれるようになっただけでなく、やる気も少しずつ出てきたのである。

最初はウォーキングから始めた。
そしてしばらくすると走ることにも挑戦できるようになった。
睡眠は、目が覚めるのが、1回ぐらいに減り、

不眠じゃない人より良く眠れてますね。」と感心されるぐらいに眠れるようになった。

自分でもびっくりするぐらいである。
日によっては、1回も目が覚めない日もある。
あの恐ろしい不眠地獄から脱出できたのが何よりもうれしい。
前に向かって進めるようになった自分がうれしい。