音楽家のジストニア(ピアノ)ー鍼灸体験談2

あなたの笑顔が見られるまで、音楽家のジストニアの鍼灸治療に全力で取り組みます。大阪府東大阪市(八尾市・生駒市)

大大好きなピアノが弾けない…涙が笑顔に変わるまで(大阪市河本さん10代女性 学生)

河本さんは「なんで?なんで?」と思いました。
ピアノを習い始めた小さい時からピアノの虜になっていました。
1日24時間しかないことが恨めしくて仕方がありませんでした。
ピアノを弾ける時間がもっともっと欲しかったのです。
ピアノさえあればあとは何もいりませんでした。

それなのに、去年の夏ごろから、ピアノを弾くと指が巻き込み、突っ張るようになったのです。
最初自分に何が起こったのかわかりませんでした。
河本さんは、(ピアノを弾く時間が長いので、こうなったのだろうから少し休めば元に戻るだろう)と思いました。
ピアノを弾く時間を短くするのは苦痛以外の何もでもありませんでしたが、治すために練習時間を短くしました。

しかし何も変わりませんでした。
相変わらず中指と薬指が巻き込み突っ張ります。
今河本さんは高校3年生です。もちろん目指す大学はピアノができるところです。
でも指がこの調子では、実技でどうなるかわかりません。
悔しくて悲しくて涙がこぼれます。
今まで、コンクールにも参加し、たくさんの賞をとってきたのに…もちろん病院にも行きました。
でも一つもよくならないんです。

ピアノは河本さんの体の1部というより、体の半分は占めています。
河本さんにとって、ピアノができない人生なんて考えられません。
毎朝目を覚ますと今までのことが夢であったらと何度思ったかしれません。
半年1年と時が過ぎると、さすがに焦りが出てきます。
ネットで調べると鍼灸で治ると出ていました。

鍼灸ってどうするのか全く分かりませんでした。
はりを刺して治すイメージがわきません。
しかしピアノが元のように弾けるならなんだってするそんな思いでした。
鍼灸治療を受けることにしました。
ピアノは持って来れないから紙鍵盤を持ってきてくださいねと言われました。
河本さんにとってはり治療でピアノを弾くの?)とこれまた疑問でした。

はじめての鍼灸治療

河本さんは予想していたはりとはずいぶん違うことにびっくりです。
髪の毛の太さもありません。ずいぶん細いのです。
脈を診られます。腹診もされます。腕や手の指、足の指、とずいぶんいろいろ調べられます。
いろいろ調べられて、やっとはりをされました。
はりを1本打たれると、先ほど調べられたところ…脈、お腹、手足の指などの圧痛が消えているかなど検証しながらのはり治療です。

初めはとても緊張をしました。
はりをされること自体初めての経験なんですから。
しかし、はりをされると、気持ちがどんどん楽になっていくのです。
本当に不思議です。「治りそう」そう思えたのです。

治療者から

河本さんは高校生とは思えないほどしっかりされていました。
はり治療も少しも臆したところがありませんでした。
治したいという思いがビンビン伝わってくる方でした。
発症後1年3月ほどたっていらっしゃいました。
よくなるまで少し時間がかかりますよとお伝えしました。

寒がりであるにもかかわらず、シャワーですましておられましたので、温かい体のほうが治りが早いことを伝え、温かい体づくりを頑張っていただきたいことをお願いいたしました。
もちろん食べ物飲み物にも気を付けていただきたいとお願いいたしました。

脈を診ますとストレスをずいぶん感じておられようでした。
受験生に加え、大好きなピアノができない状態ですので当たり前と言えば当たり前です。
ジストニアそのものの原因の1つそれも大きな原因がストレスです。
はり治療ではストレス緩和と冷えの克服です。
そして症状の出ている指に対してのアプローチが必要です。
河本さんの音楽家のジストニアの鍼灸治療で使ったツボは(申脈、後谿、太衝、期門、、臨泣、公孫、復溜、三陰交、曲池、合谷、心兪、脾兪)などです。
これらのツボは脈を診て決めていきました。

音楽家のジストニア・・・治癒への道筋

「紙鍵盤ちょっと弾いてくれる?」と言われた河本さんは、ピアノでないのは少し残念でしたがそれでも弾けるのはうれしいのです。
指はどうだろうか不安でした。
まだ巻き込んだり、突っ張りはあります。

しかし、何かが違うのです。今までと違う感覚です。
治りそうと思えました。というより、治してもらわないとここに来た意味がありません。
本当に必死な思いでした。
河本さんは、治療を重ねるごとに少しずつ良くなっていきました。
それは毎日lピアノをやっている河本さんにははっきり分かるのです。

いつも気持ちが落ち込んで、先のことが全く考えられなくなっていましたが、気持ちが前向きになっていくのがわかります。
6回の治療後にはツッパリがなくなりました。
しかしまだ巻き込みます。
9回の治療後、下りは巻き込みますが、上りは巻き込まなくなりました。
よくなると実感できた瞬間です。
11回目、上り下りともにだいぶ良くなってきました。

コンクールに向けての練習にも力が入ります。
ここまでこれたのです。あとは大学受験です。
指は巻き込みが消え、違和感が残るのみとなりました。
やりました。大学に合格できました。
もちろんピアノができる大学です。
もう指は大丈夫です。
河本さんは約半年の音楽家のジストニアとの戦いに勝利することができました。
これからは思う存分ピアノの練習をして…  夢は広がります。